慶希処みおやについて

オーナーとの出会い

「慶希処みおや」のパティシエである八尋(やひろ)。
彼女が修行していたお店は、芸能⼈や食にこだわるお客様も多く来店される独創的なスイーツのお店でした。
ここでは、とことん素材や製法にこだわり様々なスイーツをつくっており、熱烈なファンの⽅もいたのですが、残念ながら閉店することになりました。

素材、製法、独創的なスイーツづくりの環境で修業させてもらったこの経験を、次にどう活かしていけばよいのか。
転職先を探しても、これまで学んだこだわりや、コンセプトに照らして、共感できるお店はなかなか見つからず。また、「自分で開業できるか」も、もちろん考えましたが、経験的にも資⾦的にも現実的には難しい。
一度ならず、スイーツの道をあきらめて⽣まれ故郷である福岡に帰ることも考えました。
そして悩んだ末に相談した⽅から、現オーナー(紺乃)をご紹介いただいたのが、「慶希処みおや」誕⽣のきっかけです。

オーナーの葛藤と決断

「慶希処みおや」を運営する Good Harvest株式会社のオーナー経営者である紺乃(こんの)。
八尋との共通の知⼈から「会って欲しい⼈がいる」と相談を受け、話を聴くことに。
八尋の話を聴き思ったことは、「仕事に人生を賭けられる人材」であることと、「ユニークな発想と経験を有している」こと。そして何よりも「スイーツづくりの仕事を続けたい」という熱意でした。
そこですぐに、八尋がつくった商品を試食。じっさいに自分で食べてみたところ、もともと⽢いスイーツなど食べない自分でも「これは美味しい」。そしてこのレベルのスイーツをつくることができる⼈材であれば、プロデュースすることは世の中のプラスになるのではないか、と考えました。
しかし、この時期の紺乃は、2社の会社経営の無理がたたり、高血圧で体調面から無理は控えていた時でした。
しかし、心を静めて何度も考えたところ、これは天意があるに違いない、という考えに想いが固まり「慶希処みおや」の立上げ(Good Harvest社の創業)を決意。

開店までの急坂道

開店を決意する最後のきっかけが、グループ本社から歩いて3分の場所にテナント物件が出たこと。内見して即契約を決定。グループ会社にも資金的余裕がなかったため決定から 3ヵ月後を目標に、開店準備をスタート。

事業コンセプトや商品構成、店舗名や価格設定、資金繰り、店舗内装や厨房機器の準備など、2社の経営の傍ら、目がまわるような忙しさの中で準備に奔走。

パティシエの八尋は、前職の経験を踏まえ、さらに多くの⽅に喜んでいただくことを目指したスイーツづくりの準備に着手。

オーナーとパティシエが奔走し、その間、意見を交換し、議論し、すごいスピードで店舗ができ上がりました。
準備の最後でつまづいたのが、スイーツを焼き上げるためのオーブン。このテナントではガスが使えないため電気オーブンを導入することに。「慶希」の焼き上がりが、何度焼いても納得いくものにならない。

夜通しの試作の結果、開店前日になんとか、思い描いた商品が完成。
2019年7月1日、無事「慶希処みおや」の開店までこぎつけました。これで、これまで経験したことのない飲食業、店舗経営にこぎ出すことになりました。

私たちにしかできない事業を

車一台がギリギリ通ることができる路地裏に開店した店舗。⼈通りがあるのはオフィス街の⼈がランチに向かう平日のお昼時だけ。
開店後もお店の存在を知ってもらうまで悪戦苦闘。1日の売上は、店舗スタッフが購⼊した 700円の商品だけだった日も。
しかし最初に掲げた「私たちにしかできない事業を」。「私たちが本当に届けたい本物のスイーツを」という旗を降ろさずに、1日1日、努力と改善を積み重ねてきました。
少しずつ近隣の皆さまにもご愛顧いただき、また有難いことに、全国放映のTV番組でも複数回取り上げていただく機会に恵まれ、少しずつ事業として成⻑してきました。

いつか、この豊かで気高い「日本」を代表するスイーツとして愛され、全国のみなさまに、世界のみなさまに「感動の食体験」をお届けできる私たちになりたい。

そうした志を掲げて毎日の慶希づくり、店舗運営に取組んでいます。